<金口木舌>沖縄そばの進化に期待


社会
<金口木舌>沖縄そばの進化に期待
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 ラーメンでよく耳にする「進化形」の波は沖縄そばにも押し寄せている。麺にバジルやイカスミを練り込んだり、スープは辛さを加えたり。具材もエビを主体にするなど。食べ比べる楽しみが増えている

▼全国で特産品と認められている麺料理は「札幌ラーメン」や「信州そば」など10品目しかない。「沖縄そば」もその一つだ。かつての宮廷料理から庶民へ広がったソウルフード。ここまで多様化したのは潜在力の高さか
▼ただ気掛かりも。名産や特産と言えるのは県内製造を第一に原料から作り方など12項目にわたるが、関係者によると、徐々に県外産が流通し始めている。「本場」を掲げる沖縄生麺協同組合にとっては見逃せない
▼「そば粉を使わなければ、そばは名乗れない」。復帰前に公正取引委員会から指摘を受けたが、業界が折衝を重ねて45年前の10月17日、「本場沖縄そば」の名を認めさせた
▼きょうは「沖縄そばの日」。食文化を守るため尽力した関係者の努力に思いを寄せながら、今後日本を代表する食へと進化することを期待したい。