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減税念頭、還元策検討へ 首相所信表明原案が判明 自公が経済対策提言


減税念頭、還元策検討へ 首相所信表明原案が判明 自公が経済対策提言 岸田文雄首相の所信表明演説原案ポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相が23日の臨時国会で行う所信表明演説の原案が判明した。近く政府与党政策懇談会を開催し、物価高の負担軽減に向けた減税を念頭に、税収増の一部の「還元」へ具体策を早急に検討するよう与党の税制調査会に指示する方針を表明。エネルギー価格高騰を受け、ガソリン代、電気・都市ガス代の補助を来年春まで継続する考えを示す。課題解決へ「先頭に立ち、職を賭して粉骨砕身する」と強調する。複数の政府関係者が17日、明らかにした。
 自民、公明両党は17日、今月末をめどに取りまとめる経済対策の内容を首相に提言した。所得税減税は明記されなかったが、首相は減税を含めた還元策に意欲を示す。年末にかけて与党が行う税制改正論議で首相の指導力が問われる。
 演説では経済対策に関し、変革を進める「供給力の強化」と物価高を乗り越える「国民への還元」を車の両輪にすると説明。企業の賃上げを促す減税措置や特許などの所得に関する減税制度、中小企業の省力化投資に対する補助制度を創設するとした。
 多くの自治体が実施してきた低所得者向けに1世帯当たり3万円を給付する措置をさらに後押しするため、重点支援地方交付金の枠組み拡大を明記する。トラブルが相次いだマイナンバー制度に対する信頼を回復するため、原則として11月末をめどに総点検を終えると強調。デジタル技術を活用した行政効率化と住民サービス向上の実現を目指す「デジタル行財政改革」を起動すると訴える。
 防衛費増に伴う増税の開始時期に関しては「行財政改革を含めた財源調達の見通し、景気や賃上げの動向を踏まえて判断する」との表現にとどめる。
 外交では、北朝鮮による日本人拉致問題解決のため、金正恩朝鮮労働党総書記との首脳会談に向け、首相直轄のハイレベル協議を行う考えを示す方向だ。