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介護職員6000円賃上げへ 政府、経済対策で協議


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は今月末をめどに取りまとめる経済対策に、介護職員らの賃上げを盛り込む方針を固めた。
 月6千円引き上げる案を軸に調整しており、与党と協議を進める。物価高騰を受け他産業の賃上げが高水準となる中、給与水準が全産業平均より低い介護職員の処遇を底上げする。介護現場からの人材流出に歯止めをかけ、深刻な人手不足を緩和する狙い。関係者への取材で18日分かった。
 賃上げ対象には介護職員のほか、看護助手や障害福祉サービス事業所の職員を含める方向で検討する。早ければ2024年2月から開始する。
 介護サービス事業所の収入に当たる介護報酬は、国が原則3年に1度見直す公定価格のため、物価高や人件費増を転嫁できない。
 今春闘の主要企業の平均賃上げ率は3・6%。介護業界団体の調査によると、介護職員の平均賃上げ率は1・4%にとどまったという。
 21年の経済対策でも介護職員への月9千円相当の賃上げを実施した。その後の長引く物価高に伴い、他産業の賃上げが拡大。介護業界は「せっかく縮まりかけていた他産業との賃金格差が、また開いてしまう」(団体関係者)として、国による対策を求めていた。
 自民党が今月17日に行った岸田文雄首相への提言は「医療・介護・障害福祉分野における賃上げのために必要な対応を早急に実施する」と明記した。