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インファナル・アフェア/桜坂劇場・11月3日公開/切ない男たちの運命


インファナル・アフェア/桜坂劇場・11月3日公開/切ない男たちの運命 高江洲【芸能】シネマFOCUS/桜坂劇場11/3公開/インファナル・アフェア
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 人生初の推し活は「インファナル・アフェア」。推し活なんて言葉もない時代だったから、ルールもないのでやりたい邦題。周囲に積極的にDVDを貸し、素早い返却を迫り、また別の人に貸し、感想を強要し、自身のインファ愛を語り尽くす。マーティン・スコセッシ監督のリメーク版「ディパーテッド」を面白いと話す人がいれば酒に付き合わせ、いかに元ネタが素晴らしいかを言い聞かせ、DVDを貸し出し、「ほらね」と言う。推し活というより迷惑行為だ。
 あれから20年。久しぶりに見たインファはやっぱりすてきで、そして不思議。不本意な「潜入」という仕事に、命をささげざるを得ない2人の男の運命に、「切ない」感情で胸がいっぱいなのに、幸せになってほしいという願いよりも、彼らの切なさをむさぼり尽くしたい欲望の方がムクムクと湧き起こる。涙を流しながらも、体は興奮に震えている。すごい映画だ。パート2・3も同時公開。監督はアンドリュー・ラウ、アラン・マック。(桜坂劇場・下地久美子)