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「賞味期限間近」の食品 無人販売機で フードロス削減、環境保護 生産者と設置者 自治体が橋渡しも


「賞味期限間近」の食品 無人販売機で フードロス削減、環境保護 生産者と設置者 自治体が橋渡しも 無人販売機「fuubo(フーボ)」で販売されている金太郎あめ=8月、東京都台東区役所
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 フードロス削減を理念に掲げ、賞味期限間近の食品などを扱う無人販売機が登場している。食品ごみを減らせば、温室効果ガス削減にもつながることから、生産者と設置者の橋渡しをする自治体もある。

 無人販売機「fuubo(フーボ)」を昨年3月から本格展開する会社「ZERO」(東京)は、フーボで販売する商品の価格を原則として仕入れ値と同額にする。賞味期限が近づくにつれて値下げするが、値引きによる損失はフーボのラッピング広告料などで賄う。

 商品を購入したい人は同社専用サイトで会員登録し、フーボの設置場所と商品を選んでオンライン決済。携帯端末に届くリンクからQRコードを表示してフーボにかざし、解錠して商品を取る。

販売されている金太郎あめを持つ冨塚由希乃さん

 今年4月、ZEROが東京都台東区役所内に設置したフーボには菓子やカップラーメン、観光地・浅草の人気土産の金太郎あめが並ぶ。いずれも季節限定の商品や賞味期限が近づいた物だ。台東区が地元のあめ生産者と同社を仲介。清掃リサイクル課の吉田美穂さん(37)は「食品ロス削減と同時に、環境問題に対する区民の意識変革につながれば」と語る。

 ZEROによると、フーボを自ら運営したり同社に設置場所を提供したりする事業所は9月末時点で沖縄など18都道府県にあり、設置数は50台以上となった。

 担当の冨塚由希乃さん(25)は「各地の特色ある商品を販売し、環境保護や地域活性化に貢献したい」と語る。

 富山市の野村病院が4月から設置したフーボでは、健康食品を中心に販売。職員や入院患者に好評だ。7月から導入した千葉県勝浦市は専用サイトに出す広告を通じて、市の魅力をアピール。観光客や新規定住者の増加も図っている。

(共同通信)