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全国心臓病の子どもを守る会県支部 玉城 よし子 会員つなぎ、50年迎えた活動


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 全国心臓病の子どもを守る会(守る会)県支部は今年、設立50周年を迎えました。
 広報誌「心臓をまもる」沖縄県支部報の創刊は設立から半年後の1974年3月25日。今年9月号で481号になります。それは、守る会本部の機関誌「心臓をまもる」とともに会員相互の心をつなぐものとして、多くの会員の参加の下、発行し続けました。
 地理的に離れ、病児者を抱え、集会への出席もままならない会員が紙面を通して相互に励まし合い、情報提供し、支部活動を続けていくためのかけがえのないものです。
 77年3月、守る会事務所は相談活動や事務作業のために県社会福祉協議会会長の配慮で、私立保育園連盟と同室で使わせてもらいました。事務用品や輪転機などを貸してもらい、支部報づくりでとても助けられました。事務所は、守る会活動の拠点であり、会員の交流の場です。
 89年に出された100号記念号の「支部結成の頃」と題する紙面には、「沖縄の子どもたちに何とか手術を」の記事があり、山積する問題の解決に奔走した様子がうかがえます。手術受け入れの要請、厚生省派遣医師団による心臓病児検診、東京、大阪などでの手術受け入れを願うための署名活動の様子などが書かれていました。
 さて、守る会活動50年の中で、特筆すべきはこども病院設立運動です。96年5月の第24回支部総会に「こども病院設立運動」への取り組みを決議したことが大きな始まりでした。
 守る会は、他の障がい児・者団体へも呼びかけ、厚生労働大臣にも直訴し、県民賛同の20万人署名につなげ、「県立南部医療センター・こども医療センター」は開院しました。
 現在、重症の子どもたちを救命するという目的は、ほぼ達成されました。加えて医療者と患者(家族)、地域社会でつくりあげた病院であることに感謝と期待を込めて、守る会50周年に当たり「ありがとうこども病院」の無料小冊子を刊行しました。
 これまで記念号の中で、当初から支援いただいた医師の知念正雄様は「医療を受ける側の『守る会』の県や国への熱烈な要望と心臓病児・者とその家族への深い想いと支援が大きな力となっています」と書いてくださっています。