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自ら立ち直るべきだった… 旧統一教会解散命令請求 元幹部、思い複雑


自ら立ち直るべきだった… 旧統一教会解散命令請求 元幹部、思い複雑 解散命令請求について思いを語る元教団幹部の桜井正上氏=東京都内
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 本来は自分たちで立ち直るべきだったが、外からの力がないと変われないということなのだろう―。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の本部に約20年間所属した元幹部桜井正上氏(49)は、13日に出された解散命令請求をこう受け止めた。信者に高額献金を求める教団の姿勢はあってはならないと感じているが、解散なら「居場所がなくなってしまう信者もいるのではないか」と古巣へ複雑な思いを抱く。
 1998年から本部で2世信者の教育などに携わり、家庭教育局副局長を務めた。教団側は2009年にコンプライアンス(法令順守)を徹底すると宣言したが、その後も借金を抱えていない家庭はほとんどなかったと振り返る。
 親の借金を肩代わりする子ども。学資保険を取り崩して献金に充てる家庭…。「コンプラ重視と言いつつ、高い献金目標は維持されていた。ブレーキとアクセルを同時に踏んでいる状況だった」
 17年に解任された後は分派した別団体に所属し、教団を外から見つめてきた。昨年来の改革を一定評価するものの、最近でも毎週数百人単位で信者が韓国に渡航していると聞き眉をひそめる。「上の指示に従うことが信仰で、異を唱えることは不信仰。この構造悪が変わらない限り問題は解決しない」と手厳しい。一方で信者が差別や迫害を受け、社会から孤立することを心配している。「教団の問題と信者の人権は別物。信者をしっかりケアしていかなければならず、社会の寛容性も重要だ」と話した。
解散命令請求について思いを語る元教団幹部の桜井正上氏=東京都内