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世論の不満にじむ 丁寧な政権運営が必要


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

解説
22日投開票された衆参2補欠選挙には、岸田政権に対する世論の不満がにじんだ。物価高が国民生活を脅かし、政権の経済対策に期待は低い。岸田文雄首相は直前の20日、所得税減税を含む国民への還元策検討を与党に指示したが、実施時期は当面先になる。内閣不支持率が50%を超える中、首相には丁寧な政権運営が求められる。
 世論調査の内閣支持率は厳しい。今月の調査で不支持率は52・5%。国民の2人に1人が「ノー」を突き付けているともいえる。物価高対策への不満が強く、首相を信頼するとの声は少ない。実際、物価上昇に賃上げは追い付かず、エネルギー価格高騰には中東情勢も影を落とす。一方で首相は、衆院解散をちらつかせてきた。国民生活に本当に向き合っているのか―。不信を招いたのは当然といえよう。
 両補選ともに保守地盤ながら衆院長崎4区の自民候補は競り合いを強いられ、参院徳島・高知選挙区では野党系候補に離された。保守分裂を抱え、選挙に響いたのは間違いない。首相の自民支持層をまとめる力の弱さも浮かんだ。