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政権立て直しへ全力 首相 補選「真摯に受け止め」


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 岸田文雄首相は23日、与野党対決となった衆参2補欠選挙を1勝1敗で終えた結果について「真摯(しんし)に受け止める。しっかり分析し、今後の対応に万全を期したい」と官邸で記者団に述べた。衆院解散は「今は考えていない」とした。新たな経済対策や税収増の還元策に取り組み、政権の立て直しに全力を挙げる。野党は物価高対応やマイナンバー問題で政権批判を強め、臨時国会の論戦でただしていく構えだ。
 首相は年内に衆院解散をするかを記者団に問われ、緊迫する国際情勢や物価高対応を挙げた上で「先送りできない課題に一つ一つ向き合い、取り組まなければならない」と強調。「今はそれに専念すべき時だ。それ以外のことは今は考えていない」と語った。
 立憲民主党の安住淳国対委員長は「野党が候補者を一本化して政権批判の受け皿を作れば、大きな政治的変動を起こし得ることを示唆した」と結果を総括。「岸田内閣に不満や疑問を持っている人がたくさんいるとはっきりした。臨時国会でこうした声をしっかりとぶつける」と述べた。
 22日投開票された衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区両補選は、9月の内閣改造・自民党役員人事後に初めて行われた国政選挙だった。発足から今月で2年となった岸田政権への「中間評価」と位置付けられた。両選挙区とも元は自民の議席だっただけに首相の政権運営にとって痛手となった。
 松野博一官房長官は23日の記者会見で「民主主義の根幹である選挙は、国民の意見を聞く貴重な機会だ。政府としてしっかりと受け止める」と述べた。