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税収増「還元」を強調 首相所信表明 経済「3年で変革」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相は23日、衆参両院で所信表明演説を行い、所得税減税を念頭に物価高を乗り越えるため「税収増分の一部を還元し、国民負担を緩和する」と表明した。持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済に向け、3年程度を変革期間として供給力強化に取り組むと主張した。 (3、6面に関連)
 野党は所得税減税が防衛費増に伴う増税方針隠しだとして少子化対策の財源確保策と併せて整合性を追及する。24日から衆院で代表質問が始まり国会攻防が本格化する。 
 22日投開票された衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区両補選はいずれも元は自民の議席で、政権としては1議席を失った形。
 内閣支持率が最低水準に落ち込む中、首相は経済を前面に打ち出し局面転換を図りつつ、衆院解散・総選挙の時期を見極める。
 首相は所信表明演説で、国民への還元と供給力強化を「車の両輪」として総合経済対策を取りまとめると宣言。還元策を巡っては与党税制調査会での早急な検討を指示すると説明した。財政健全化には触れなかった。
 自治体が実施する低所得者1世帯当たり3万円の給付を後押しするため、重点支援地方交付金の枠組みを拡大すると言明。ガソリンや電気・ガス代補助の来年春までの継続を掲げた。
 一般ドライバーが自家用車で客を有償で運ぶ「ライドシェア」導入検討に触れた。トラブルが相次いだマイナンバーの総点検を11月末めどに終了し信頼を回復すると訴えた。