有料

国交省職員 迂回出向 日本財団へ 法の趣旨逸脱か


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 国土交通省は23日、海事局が2014~18年、公営事業の収益を主な財源とする日本財団に、外郭団体を経由して職員を出向させていたと明らかにした。人事課が18年に事実を把握し、法律が禁じる団体への迂回(うかい)出向に当たり、法の趣旨を逸脱する可能性があると指摘。海事局は取りやめた。海事局の担当者は「現時点で振り返れば不適切だった」と話した。
 国家公務員と民間企業の人事交流について規定した官民人事交流法は、国や自治体の事業から主な収益を得ている企業への派遣を認めていない。日本財団が公営競技であるボートレースの収益を原資とする交付金を自治体から受け、海事局は当時、直接派遣できないと判断したとみられる。
 このため職員はいったん外郭団体「海上・港湾・航空技術研究所」に出向。その上で、日本財団に出ていた。外郭団体と日本財団は海洋開発の人材育成事業を巡って協力関係にあった。
 財団は出向を受け入れていた間、他の事業者と組み、国交省から海洋人材などに関する総額5億4900万円の事業7件を受注した。
 18年に出向をとりやめた後は、外郭団体へ出向した海事局の職員計7人が対応する形態が23年3月まで続いたという。