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アレルゲン 光触媒で分解 イヌやネコ、実験で確認


アレルゲン 光触媒で分解 イヌやネコ、実験で確認 犬のアレルゲンを光触媒の酸化反応で分解する実験のグラフ。縦はアレルゲンの濃度。6~24時間で約98%が分解された(間陽子・東京大特任教授提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 イヌやネコを飼ったらせきやくしゃみが止まらなくなった―。ふけや抜けた毛に含まれるタンパク質に反応して生じるアレルギーだ。東京大の間陽子特任教授(ウイルス学)らの研究グループは、酸化作用を持つ光触媒でアレルゲン(アレルギーのもとになるタンパク質)を分解できるのを実験で確かめた。
 グループによると、イヌやネコへのアレルギーがある人は世界の人口の10~20%とする研究もあり、いったん飼ったペットを手放す原因になっている。部屋の掃除やペットの入浴に加え、この原理を用いた空気清浄器を使えば、アレルギー発症を抑えられる可能性が高いという。
 グループの松浦遼介東大特任助教(同)によると、イヌとネコの代表的なアレルゲンを液体に溶かし、酸化チタンを用いた光触媒ガラスシートの上に垂らして実験。光触媒の酸化反応で24時間後にはイヌでは約98%、ネコでも約94%が分解された。触媒抜きの光だけ当てた場合は80%前後しか分解されなかった。
 人の抗体がアレルゲンに反応すると発症するが、光触媒で24時間処理するといずれも抗体と反応しなくなっていた。
 また、乾燥したふけなどの状態でも光触媒で24時間処理したところ、イヌのアレルゲンで約93%、ネコでは59~68%を分解したことを確かめたとしている。

犬のアレルゲンを光触媒の酸化反応で分解する実験のグラフ。縦はアレルゲンの濃度。6~24時間で約98%が分解された(間陽子・東京大特任教授提供)