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能楽と組踊が交差 創作舞踊劇「首里」 沖縄で初上演


能楽と組踊が交差 創作舞踊劇「首里」 沖縄で初上演 創作舞踊劇「首里」より、玉城朝薫の霊・津村禮次郎(手前右)と若き男・佐辺良和(前列中央)、若き女・田口博章=7日、浦添市の国立劇場おきなわ大劇場
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 首里城の復興への思いを込めて、能楽と組踊の様式を取り入れた創作舞踊劇「首里」(津村禮次郎演出・監修)の沖縄公演が7日、浦添市の国立劇場おきなわ大劇場であった。2021年に東京で初演され、改訂を加え沖縄では初の上演となった。組踊の創始者・玉城朝薫の霊を首里城跡地によみがえらせ、往時をしのび、復興と沖縄の安寧を祈って舞った。28日には東京都内で上演される。
 能楽師・観世流シテ方の津村が企画し、組踊の中堅、若手実演家とワークショップなどの交流を重ねて創作された。津村が玉城朝薫の霊を、組踊立方の佐辺良和と田口博章が若き男女を、清国の冊封使を能楽師・観世流シテ方の長谷川晴彦が演じた。
 上演の前には、前国立劇場おきなわ芸術監督の嘉数道彦を聞き手に、津村のプレトークがあった。津村は「組踊は歌三線が中心、能は打楽器が中心で、音楽的にはかなり違う。場面に応じて使い分けていきながら、今回は音楽劇として現代音楽を作曲して取り入れた」と振り返った。嘉数は「能でもなく組踊でもなく新しい舞台が、それぞれの要素を用いながら交差する作品になった」と解説した。
 そのほか舞踊「稲まづん」と、能「羽衣」が上演された。東京公演は28日午後2時と6時から、セルリアンタワー能楽堂で開く。 (田中芳)
創作舞踊劇「首里」より、玉城朝薫の霊・津村禮次郎(手前右)と若き男・佐辺良和(前列中央)、若き女・田口博章=7日、浦添市の国立劇場おきなわ大劇場