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処理水海洋放出 技術的懸念なし IAEA


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 国際原子力機関(IAEA)は28日までに、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出後では初めて日本で行った検証作業に関し「放出は計画通りに進んでおり、技術的な懸念はない」とする見解を示した。来日した調査団には中国の専門家も参加しており、年内に正式な検証結果をまとめる。
 見解はIAEAのホームページに掲載した。IAEAの調査団は今月24~27日、東電と技術的な協議を行い、放出データや設備の運用実績を確認。経済産業省や原子力規制庁の関係者とも会談した。福島第1原発では、処理水タンクや異常時の緊急遮断弁のほか、設備の制御室、放射線監視装置などを視察した。
 IAEAは7月、放出計画が「国際的な安全基準に合致する」とする包括報告書を公表。調査団長のカルーソ調整官は「施設訪問では何の問題も確認されなかった。報告書の結果が依然として有効かどうか評価するため、調査を継続する」と総括した。調査団はIAEA職員のほか、中国やロシア、韓国などの出身の専門家で構成される。