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「ウクライナを知る、語学から」 初心者向け教材出版


「ウクライナを知る、語学から」 初心者向け教材出版 「ゼロからスタート ウクライナ語」の著者オクサーナ・ピスクノーワさん=9月、キーウ
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 【キーウ共同】初心者向けのウクライナ語教材「ゼロからスタート ウクライナ語」(Jリサーチ出版)が出版され、関心を集めている。著者はウクライナ東部ドネツク州出身で来日20年以上の日本語通訳オクサーナ・ピスクノーワさん(47)。「ウクライナ語学習を通じて私たちの文化、歴史を知ってほしい」と話している。
 出版のきっかけは日本でのウクライナ語学習意欲の高まりだ。「文法編」として初版3千部を今夏に発売。インターネットで音声をダウンロードし、発音を確認できる。デジタル版や単語集の出版も検討している。
 「ウクライナは私たちの国です」「彼はボランティアです」。例文には戦時下のウクライナでよく耳にするフレーズを使用。侵攻直後に流行した抵抗の歌「赤いカリーナ」やボルシチなどのウクライナ料理も登場する。
 ウクライナ語はロシア語と同じスラブ語派に属するが、ピスクノーワさんは「ロシア語と比較するのではなく、ウクライナ語そのものを学んでほしい」と訴える。ウクライナ語教育は帝政ロシア時代から抑圧されてきた。ソ連時代にロシア語が広まったが、家庭ではウクライナ語を話す人も多かったという。
 ウクライナ語は1991年の独立以降ウクライナの公用語。ロシア語も東部や都市部を中心に話されているが、侵攻後、ウクライナ語を日常的に使用する人が増えたとされる。