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防衛増税と減税矛盾せず 首相 少子化「追加負担なし」


防衛増税と減税矛盾せず 首相 少子化「追加負担なし」 衆院予算委で答弁する岸田首相=30日午後
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相は30日の衆院予算委員会で、防衛力強化のための増税と、経済対策として掲げる減税の整合性に関し「防衛力強化の中身は経済や物価に最大限配慮した上で実施の時期を決める。両者は矛盾するものではない」と強調した。日本維新の会が主張する社会保険料の減免には否定的な見解を表明。少子化対策の財源について「徹底した歳出改革を行った上で国民に実質的な追加負担を生じさせないことを目指す。年末に向けて考えていく」と語った。
 立憲民主党の逢坂誠二氏は、2023~27年度の5年間で防衛費を約43兆円に増やす政府方針を踏まえ、減税の具体策を追及。立民の早稲田夕季氏は「偽装減税、増税隠し減税だ」と批判した。
 政府は経済対策で、子どもなどの扶養家族を含めて1人当たり合計4万円の所得税と住民税の減税を実施し、所得税と住民税が課税されない低所得世帯には1世帯7万円を給付する方針だ。維新の藤田文武氏は「減税は期間限定で遅い。社会保険料減免が合理的だ」と訴えたのに対し、首相は「制度の持続可能性として問題がある。減税と給付の組み合わせが現実的だ」と反論した。少子化対策に関し「所得を増やす中で、国民の負担率は決して増やさないよう制度を構築していきたい」とも説明した。
 一般ドライバーが自家用車を使い有償で客を運ぶ「ライドシェア」を巡り「地域の実情を踏まえた議論を進める」と述べ、自治体の首長から意見聴取する意向を示した。11月上旬の規制改革推進会議の作業部会に招く。
 安定的な皇位継承策を具体化するため、自民党総裁直轄の新組織を設置するとした。
 マイナ保険証の利用率低迷に関し「メリットが十分浸透していない」として、国民の不安払拭に取り組む考えを示した。