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生き方は自分で決める 鈴木 信行 20


生き方は自分で決める 鈴木 信行 20 イラスト 鈴木勇介 
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 病気があっても人生を楽しむ。そんな「活き生きライフ」の中身は人によって皆違います。私の場合は「活き生きライフ」の実現に向けたノウハウを講演や執筆活動を通じて、より多くの方へお伝えすることです。
 私に関わる医療者は、遠方の講演に行けるように、声を出し続けられるようにと、私の意向を理解した上で適切な医療を提案してくれます。
 あなたにとっての「活き生きライフ」はどのようなものでしょうか? 自分で考えをまとめ、それを医療者に伝えることで初めて、あなたが望む医療や介護を受けられるようになるのです。
 医師にこんなこと言えない、ケアマネジャーに従った方が楽…。そんな気持ちは理解できます。でも、あなたがどう生きるかはあなた自身が決めることです。医師やケアマネは、あなたの貴重な時間の過ごし方を決める立場にないのです。
 考えをまとめるために、家族や親族以外に自分の人生観を気軽に話せる仲間や場所を見つけてほしいと思います。地域包括支援センターや社会福祉協議会、ボランティアセンターといった機関のほか、住民レベルの集まりもいいでしょう。
 ぜひ、勇気を奮ってそういう場に顔を出してください。どう声をかければいいか悩んだら、このコラムを見せて「情報がないかを聞きに来た」と相談してみてください。そこで出会う多くの方々に、自分が考える「活き生きライフ」について語ってみてほしいのです。
 漠然とした考えであっても、あえて何度も口にしてみることで、だんだんと自分の「活き生きライフ」が見えてくるものです。
 少し余裕ができたら地域の集まりで出会った人たちの「活き生きライフ」を聞いてみましょう。さまざまな考え方や人生観に触れることができ、自分の知らない世界の話を聞くこともできます。
 場合によっては、自分と同じような考え方の人と出会い、意気投合するかもしれません。逆に、その集まりがどうしても自分の肌に合わないと思ったら、行くのをやめればいいのです。
 自分の考える「活き生きライフ」を他人に話すことでさまざまな情報が入り、つながりができ、実現に近づきます。インターネットを介してでも構わないので、日々対話して刺激し合うことで、自分の生き方を考える習慣を身につけてほしいと、私は考えています。
 あなたにとってのすてきな「活き生きライフ」を実現させていきましょう。 (患医ねっと代表)
 (おわり)
イラスト 鈴木勇介