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生理用品、多くの選択肢を/ナプキン以外も快適目指し/名古屋のモナカンパニー社/女子高校生向けに勉強会/学校での性教育不十分


生理用品、多くの選択肢を/ナプキン以外も快適目指し/名古屋のモナカンパニー社/女子高校生向けに勉強会/学校での性教育不十分 生理用品の種類
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 生理(月経)の仕組みや生理用品の使い方を伝える勉強会を、関連用品の開発、販売をする名古屋市の新興企業「モナカンパニー」が開催している。下着からの経血漏れなどに悩む人々にナプキン以外にも多くの選択肢を示すのが目的。「快適に過ごせる方法にたどり着いて」としている。

 7月初旬の名古屋市、同社は初めて女子高校生向けに勉強会を開いた。子宮の働きや、生理前に心身に不調が出る「月経前症候群」(PMS)を説明する社長の向井桃子さん(35)。「私も少し痛い日がある」「一日中漏れを気にしないといけない」と生徒たちは悩みを吐露した。
 勉強会では一般的によく使われるナプキンやタンポン以外にも、小さなシリコーン製カップを腟内に入れる月経カップや、下着そのものが経血を吸う吸水ショーツを用意。経血に見立てた赤い水で使い方を見せながら、長所と短所を伝えた。
 参加した名古屋大谷高2年中野真央さん(17)は「こんなにたくさん種類があることを知らなかった。いろいろ試してみたい」。向井さんは「生理用品は体に触れるもの。自分でよく考えて選んで」と呼びかけた。
 同社が販売するのは月経ディスク「MOLARA(モララ)」。直径65ミリのリングにカップ状のフィルムがついており、膣(ちつ)より奥の子宮口近くに挿入して経血を受け止める。使い捨て用で1日2回の交換で済み、装着したままプールや温泉に入れるのが特長だ。
 海外製の月経ディスクを試した向井さんが快適さと利便性に引かれ、国内生産を目指して2022年に会社を立ち上げた。「長年我慢していた生理時の嫌な臭いや蒸れが気にならなくなった。自分の体に合っていた」
 勉強会を開くきっかけは、商品開発中に抱いた性教育への疑問だ。「どうして大切な生理のことをちゃんと教えてもらえないのだろう」。市場調査やアンケートをすると、成人女性でも経血が出る位置やタンポンの使い方を知らない人がいた。
 「思春期に学校で女子は短い動画を見て試供品のナプキンを渡されたら終わり。昔から変わってない」。相性の良い生理用品と出合えればつらさを軽減できる可能性もあるものの、家族や友人と生理の話はしにくい。伝える必要性を感じた。
 商品販売に合わせて今年から勉強会を始め、オンラインも含めて千人以上が参加。企業が管理職研修や両立支援のために依頼するケースが多い。娘を育てるシングルファーザーが受講することもあった。
 「何がストレスで、何を使えば悩みを軽減できるか個人差が大きい。自分が使いやすいものを考える機会にしてほしい」と向井さん。今後は勉強会の対象を小中学生にも広げたいと考えている。

女子高校生に生理用品の使い方を説明する向井桃子さん(奥)=7月、名古屋市