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経済対策17兆円規模 政府きょう閣議決定 所得・住民税減税


経済対策17兆円規模 政府きょう閣議決定 所得・住民税減税 近年の主な経済対策の規模
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府が経済対策の規模を、2024年6月から実施する所得税と住民税の減税を含めて17兆円台前半とする方向で最終調整していることが1日、分かった。半導体生産の投資促進や物価高に苦しむ低所得世帯への給付などの経費を確保する。
 給付を後押しするための自治体に対する「重点支援地方交付金」は1兆6千億円程度を上積みする方向で検討している。2日に閣議決定する。
 補助金を受けて民間企業が支出する分なども加えた事業規模は37兆4千億円程度となる。23年度の一般会計補正予算案には13兆1千億円程度を計上する方向で、政府は20日前後に臨時国会に提出し、今月下旬にも成立させたい考えだ。
 対策は大きく5項目で構成。物価高対策に2兆7千億円程度、賃上げなどに1兆3千億円程度、半導体などの国内投資促進に3兆4千億円程度を計上する。人口減少対策には1兆3千億円程度、防災・減災などの対策には4兆3千億円程度を充てる。
 経済対策の17兆円は補正予算の計上額に、3兆円台半ばを見込む所得税と住民税の減税やその関連経費を合わせた額。新型コロナウイルス禍から経済が回復しているため、経済対策の規模は約35兆6千億円だった昨秋の対策より小さくなるが、10兆円未満で推移したコロナ禍前よりは膨らむ。国の借金である国債の増発を迫られ、財政悪化につながる懸念がある。
 減税は扶養家族を含めて1人当たり所得税3万円、住民税1万円の計4万円の予定。所得税と住民税が非課税の低所得世帯に1世帯7万円を給付する。
 納税額が少なく24年の所得税から減税分を満額引き切れない世帯に対しては、残額分を25年度の住民税から減税する。それでも減税の恩恵が十分に及ばない低所得の層には給付も併用して対応する。
 重点支援地方交付金では、こうした給付に1兆1千億円、家庭のLPガス料金低減などに5千億円を用意。小中学校の給食費抑制やプレミアム商品券発行への活用も想定する。
 年末に期限を迎えるガソリンなどの燃油と電気・ガス代を抑える補助金は、燃油を来年4月末まで、電気・ガス代を来春まで続ける方針だ。