【エルサレム共同=吉田昌樹】イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザの保健当局は1日、イスラエル軍とハマスの戦闘による死者が8796人になったと発表した。イスラエル側の1400人以上と合わせ、死者は計1万人を超えた。異例の被害規模で、国際社会の反発が強まっている。 (6面に関連)
一方、ガザとエジプトの境界にあるラファ検問所が1日再開し、負傷者らが当局の許可を得て出域し始めた。出域が認められたのは日本人5人を含む外国籍保有者や負傷者らでロイター通信によると計500人近く。10月7日の戦闘開始以来、封鎖下にあるガザから住民や支援組織スタッフらが出域するのは初めて。
イスラエル軍は10月31日、ガザ北部のジャバリヤ難民キャンプを空爆し、パレスチナ保健当局は少なくとも50人が死亡、150人が負傷したと明らかにした。イスラエル軍報道官は米CNNテレビに、ハマス司令官を狙い空爆したと説明。中東メディアによると、同キャンプには1日もイスラエル軍の攻撃があった。
軍は、殺害した司令官が10月7日のイスラエル奇襲を指揮した一人だと指摘。ハマスは、空爆により民間人の人質7人が死亡したと主張した。信ぴょう性は不明。軍によると人質は240人。
軍報道官は地上部隊がガザに深く入り、戦闘を続けていると述べた。戦闘が始まって以降、ガザで1万1千以上のハマスの標的を攻撃したとした。一方、戦闘で10月31日に軍兵士10人以上が死亡し、軍の死者は計326人に上ったとしている。AP通信によると、ガザではインターネットや電話回線が一時断絶した。
ロイターによると、出域対象者リストには500人近い名前が記載されているが、1日で全員出域できるわけではない。出域はカタールが米国と連携して仲介し、イスラエルとハマス、エジプトが同意した。
米国務省によるとブリンケン国務長官は3日、イスラエルを訪問し政権幹部と会談する予定。
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ガザ戦闘、死者1万人 難民施設空爆、50人超犠牲
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琉球新報朝刊
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