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整備費上振れ、政府容認 大阪・関西万博 当初見積もりの1.9倍


整備費上振れ、政府容認 大阪・関西万博 当初見積もりの1.9倍 大阪・関西万博の会場整備費
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は2日、2025年大阪・関西万博の会場整備費について、最大2350億円への上振れを受け入れると表明した。日本国際博覧会協会が試算し、大阪府・市と経済界は既に容認しており、増額が決定した。上振れは2回目で、当初の見積もりから1・9倍に膨らむ。西村康稔経済産業相と自見英子万博相が同日、記者会見して明らかにした。国民負担の拡大に世論は厳しく、丁寧な説明と経費節減の努力が求められそうだ。
 開催が決まった18年時点の見積もりで1250億円だった整備費は、熱中症対策などを理由に20年に1850億円に増額した。その後、円安で輸入資材が高騰し、建設現場の人手不足に伴い人件費も上昇した。協会は今年10月、さらに最大で500億円上振れするとの見通しを国などに報告していた。
 西村氏は会見で「物価上昇の影響でやむを得ない」と述べた。コストは徹底的に管理し「再度の増額が発生しないようにしてほしい」と協会に注文した。自見氏は人件費の上昇に対応し適正な賃金を確保するとして「労働者を守った上で、万博成功に向けたステップを踏みたい」と述べた。
 今回の上振れ額500億円は国、大阪府・市、経済界が3分の1ずつ負担する枠組みを維持し、それぞれ167億円を追加負担する。協会の試算によると、新たに費用が527億円増え、予備費も130億円計上する。一方、工法の見直しなどで157億円を削減する。大阪府・市と、経団連や関西の経済界は1日に増額を容認していた。
 整備費とは別に、政府は会場警備費についても200億円程度を支出する方向で調整している。安倍晋三元首相が亡くなった銃撃事件や、岸田文雄首相の襲撃事件などを踏まえ、警備強化に国費を一部投じる方針に転換した。