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ガソリン補助 4月末まで 所得、住民減税1人4万円 新たな経済対策 「還元策」ばらまき色濃く


ガソリン補助 4月末まで 所得、住民減税1人4万円 新たな経済対策 「還元策」ばらまき色濃く 暮らしに直結する主な事業とスケジュール
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府が2日決定した経済対策は暮らしに直結する事業を多く並べた。ガソリンなどの燃油代を抑える補助金を2024年4月末まで延長し、不登校の児童生徒が家庭や学校以外で過ごせる居場所づくりを急ぐ。所得税と住民税の減税以外にも「還元策」がめじろ押しだが、ばらまき色は濃い。(1面に関連)
 燃油代抑制の補助金は、レギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格が175円程度を上回らないように出す。軽油や灯油、農漁業などで使う重油も対象だ。電気・都市ガス料金の補助金とともに23年末に終える予定だったが、物価高の影響を和らげるために4カ月延長する。
 電気・都市ガス料金の補助金は24年4月末まで今の制度を続けるが、国際的な燃料価格を見極め、翌5月に支援の幅を縮小する。
 少子化・子育て対策にも力を入れる。不登校の児童生徒の居場所を運営する民間団体と、「こどもの居場所づくりコーディネーター」を採用・育成する地方自治体を財政面から後押し。
 親の就労の有無に関係なく保育サービスを利用できる「こども誰でも通園制度」は試行開始を23年度中に前倒しできるようにする。
 児童手当は24年10月分から所得制限をなくし、対象を「中学卒業まで」から「高校生まで」に広げる方針が23年6月に決まった。第3子以降は月3万円に増やす。経済対策では、拡充後の初支給(24年10~11月分)を24年12月に2カ月早めた。
 所得税と住民税の減税は、子どもなどの扶養家族を含めて1人4万円とし、24年6月から実施する。所得税と住民税が非課税の低所得世帯には7万円を給付し、23年中に始める。23年3月の物価高対策で決めた3万円と合わせ10万円とした。
 高速道路の通勤時間帯割引を毎日24時間に拡大する方針も掲げた。24年度は全国数カ所で試行し、26年度中の本格展開を目指す。一般道の混雑緩和を狙い、自動料金収受システム(ETC)を搭載した車両に適用する。
 新型コロナウイルスやインフルエンザの感染症流行で不足するせき止めなどの薬を増産する企業に補助金を出す。
 摂取すると花粉によるアレルギー症状緩和が期待できるコメ「スギ花粉米」の研究開発を進める。