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処理水、3回目の放出 東電、賠償請求受け付け


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 東京電力は2日、福島第1原発処理水の3回目の海洋放出を始めた。20日までに過去2回と同様、約7800トンを放出する。中国による日本産水産物の輸入停止は続いており、東電は水産業者からの賠償請求を受け付ける一方、放出は計画通りに進める。
 事前の分析で、放出予定の処理水は、放射性物質の濃度が国や東電が定めた基準を下回っていた。大量の海水で薄めて大型水槽に入れ、放射性物質トリチウムの濃度が1リットル当たり1500ベクレル未満(国の基準の40分の1)と確認した処理水1トン分から放出を始めた。1日460トンのペースで、海底トンネルを通じて沖合約1キロから流す。
 海洋放出は8月に開始。計画では2023年度は4回に分けて約3万1200トンを放出する。これまで原発周辺で採取した海水から最大で1リットル当たり22ベクレルのトリチウムを検出したが、世界保健機関(WHO)の飲料水基準(1万ベクレル)を大きく下回っている。東電は、処理水放出による風評被害と合わせ外国政府の禁輸措置等による被害も賠償するとしている。