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賃上げ、減税「来夏実現」 首相、デフレ脱却へ決意


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相は2日、経済対策決定を受け、官邸で記者会見した。デフレ脱却と経済の好循環実現に決意を表明。来年6月の所得税と住民税の定額減税に関し「来夏のボーナスの時点で賃上げと所得減税、双方の効果が給与明細に目に見えて反映される環境をつくり出す」と訴えた。本人、扶養家族を問わず減税を行うことで、過去に例のない「子育て支援型」になると力説した。
 来年の春闘に向け「経済界に対し、私が先頭に立って今年を上回る賃上げを働きかける」と言明。中小企業への賃上げ税制拡充や価格転嫁強化に取り組む方針も示した。
 新型コロナウイルス禍への対応が一段落したとして、2024年度予算編成過程で歳出構造の「平時化」を検討すると説明した。基礎的財政収支を25年度に黒字化する目標の変更は考えていないと言及。消費税減税と、10%と8%の複数税率見直しについて「今は考えていない」と語った。
 防衛力強化のための増税に関し「成長経済を実現するための取り組みを先行させる」として、所得税減税との同時実施を重ねて否定。「政策には順番が重要だ。経済活性化なくして強い安全保障も持続可能な社会保障も実現できない」と指摘した。
 少子化対策の財源について、社会保障改革を進めることで実質的な国民負担増がないよう検討すると強調し「所得税減税とは矛盾しない」と主張した。
 憲法改正を巡り「最終的には国民の判断が必要だ」とした上で、国会における発議に向けてより積極的な議論に期待を示した。