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「憧れの聖地」新劇場も期待 57年前も出演 玉城節子に聞く


「憧れの聖地」新劇場も期待 57年前も出演 玉城節子に聞く 国立劇場のこけら落とし公演の頃に撮影した記録映画で組踊「花売の縁」の鶴松を演じた玉城節子(右)。師匠の初代玉城盛義は森川の子役を演じた(提供)
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 玉城流翔節会家元の玉城節子は、57年前に上演された国立劇場こけら落とし時の第1回琉球芸能公演と、10月22日のさよなら特別公演に出演した。玉城は「国立劇場は実演家にとって憧れの聖地みたいな場所。ここで踊れたことは舞踊家としてこの上ない喜びだ」と振り返り、新しい国立劇場でも踊ることに期待を寄せた。
 第1回琉球芸能公演に起用されたのは25歳の頃だ。1月26~29日計5回の舞台に出演した。「花売の縁」の鶴松、「執心鐘入」の小僧役などを演じた。
 「舞台の大きさに圧倒された。沖縄の芸能を研究している人たちにどう評価されるのかという緊張もあって、とにかくミスなく踊ろうと努めた」
 足袋は全演目ごとに履き替えたという。「沖縄の芸能は素晴らしいと知ってもらうため、自分でできることは何でもやった」
 さよなら特別公演には、当時のこけら落とし公演に出演した中から宮城幸子、志田房子、金城美枝子も出演した。玉城は金城と「谷茶前」を踊った。開場から57年、自身の立場も変わり、琉球芸能も広く認知されている。「全体を見る、別の緊張感もあるが、観客の温かい雰囲気が伝わる」と変化を感じている。
 「一度立てただけでもよかったが、その後も何度か立てる機会があって最後まで務められたことは感無量だ」。新たな国立劇場を楽しみにしている。(田吹遥子)