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首相給与増に批判 野党「国民理解得られず」


首相給与増に批判 野党「国民理解得られず」 首相と閣僚の年収
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府が臨時国会に提出した国家公務員特別職の給与法改正案が注目を浴びている。物価高が進む中、岸田文雄首相や閣僚の給与を増額する内容で、野党が「国民の理解を得られない」と批判を強めているためだ。首相は追及をかわそうと、行財政改革の一環で年収の一部を自主返納しているとアピールしている。
 国家公務員は、省庁で働く職員ら一般職と、首相や閣僚ら特別職に分けられる。一般職の2023年度給与を巡っては、人事院が8月、月給、ボーナス両方を2年連続で引き上げるよう勧告。政府は10月に勧告受け入れを決め、臨時国会に一般職の給与法改正案を提出した。
 これに併せて提出したのが特別職の給与法改正案で、一般職である省庁幹部職員の増額幅に準じて給与を引き上げる。一般職に準ずると定めた法令の規定はないが、内閣人事局は「従来そういう取り扱いをしてきた」と例年通りの対応と説明する。
 法案によると、首相は月給6千円、ボーナスは夏冬の合計で0・1カ月分を引き上げ、年収は46万円増の4061万円。閣僚の年収は32万円増の2961万円となる。
 これに対し日本維新の会の音喜多駿政調会長は1日の参院予算委員会で「賃上げが追い付かず、社会保険料も上がる中、国民を差し置いて首相が給与を上げることに理解は得られない」と指摘し、法案の取り下げを求めた。
 首相は給与は上がるものの、一部を自主返納しているとして「閣僚自ら(行財政改革の)姿勢を示し、国民の不信を招かないように努力を続ける」と強調。法案の撤回に応じなかった。