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世界各地で停戦求めるデモ イスラエル非難広がる ガザ市街地侵攻


世界各地で停戦求めるデモ イスラエル非難広がる ガザ市街地侵攻 ドイツ・ベルリンで行われたデモで、パレスチナの旗を振りながら連帯を訴える参加者=4日(ゲッティ)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ワシントン、ジャカルタ共同=新冨哲男、山崎唯】イスラエル軍とパレスチナのイスラム組織ハマスの戦闘を巡り、世界各地で4~5日、停戦を求める大規模デモが行われた。参加者らはパレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルを強く非難。パレスチナの旗や「虐殺をやめろ」と書かれたプラカードなどを掲げながら行進した。 (1面に関連)
 米首都ワシントンでは4日、アラブ系の米国人、若者ら数万人が参加。ホワイトハウスと連邦議会議事堂を結ぶ通りは参加者で埋め尽くされ「パレスチナを自由に」のシュプレヒコールが響いた。イスラエル寄りの立場を取り、停戦に否定的なバイデン政権を非難する声も上がった。
 両親がガザ出身で、10月下旬の攻撃で親族らを失ったという米政府職員は「イスラエルは罪のない人々を殺し続けている」と怒りをあらわにした。再選を目指すバイデン大統領がイスラエルに過度に肩入れしていると指摘、バイデン氏に投票しないと言い切った。
 黒人女性の大学生チャラ・ウングワさん(18)は友人と初めてデモに参加し「ガザの子どもたちが亡くなるニュースに胸が締め付けられる」と語った。白人やユダヤ系の市民も目立った。
 英国やフランス、ドイツなど欧州各地でも4日にデモが行われた。AP通信によるとパリでは数千人が参加。パレスチナの旗を振って即時停戦を求め「イスラエルは暗殺者だ」と叫んだ。10月7日の戦闘開始後、英仏独では反ユダヤ主義的な行為が増加しているとされ、各国当局が警戒を強めている。
 世界最多のイスラム教徒がいるインドネシアでも5日にデモが行われ、首都ジャカルタの独立記念塔周辺はパレスチナの旗で埋め尽くされた。参加者は「イスラエルは占領者」と気勢を上げ「子どもたちへの爆撃は正当防衛ではない」などのボードを掲げた。デモにはルトノ外相も出席した。