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イスラエル、ガザ市街侵攻 難民施設攻撃、47人死亡か


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同=吉田昌樹】イスラエルのガラント国防相は4日、イスラム組織ハマスが中核拠点を置くとみるパレスチナ自治区ガザの中心都市、北部ガザ市を同国軍が南北から攻撃し市街地に入ったと述べ、侵攻していることを明らかにした。軍はハマス制圧へさらに攻勢を強めた。中東メディアによると、ガザ中部のマガジ難民キャンプに4日夜、軍の攻撃があり、47人が死亡した。 (3、5面に関連)
 ガザ保健当局は5日、戦闘による死者が子ども4千人以上を含む9770人になったと発表。イスラエル側と合わせ、犠牲者は計1万1100人以上となった。
 ガザでは住民多数が避難する学校や病院周辺への攻撃が相次ぎ、民間人の犠牲拡大が懸念されている。
 ガザ市は人口密集地で、ハマスが地下トンネル網を構築。軍は5日、これまでに2500以上のハマスの拠点を破壊し、戦闘員殺害も続けていると表明。軍兵士がトンネル網に突入し、武器や地図を発見したとの映像も公開した。ガラント氏は「一歩一歩進展している」と述べた。ハマスは4日、イスラエル軍の攻撃で人質60人以上が行方不明になったと主張した。
 中東歴訪中のブリンケン米国務長官は4日、ヨルダンで記者会見し、イスラエルが民間人の被害回避のため「あらゆる措置を取らなければならない」と訴えた。支援物資搬入のため一時的な戦闘中断が必要としたが、長期停戦はハマスを利すると否定的考えを示した。
 ガザでは3日、ガザ市の病院近くで救急車の車列に軍の空爆があり、15人が死亡。4日には北部ジャバリヤ難民キャンプの学校に軍の攻撃があり、20人以上が死亡した。
 米CNNテレビによると、軍報道官は4日の学校への攻撃について、別の標的を狙った攻撃がそれた可能性があると述べた。