LGBTQなど性的少数者カップル向けの結婚式を実施している埼玉県川越市の「最明寺(さいみょうじ)」で、今年に入って8月までに3組の外国人カップルが式を挙げた。「人種や性にとらわれず祝福してもらえる」と国内外から問い合わせがあるといい、千田明寛副住職(35)は「多くの人に門戸を開き、一組でも多くのカップルの幸せを見届けたい」と話す。
色とりどりの前かけをした地蔵やカラフルな絵馬。境内の至る所で多様性を意味するレインボーカラーが目に入る。最明寺では当事者団体と交流を深めながら、川越市の「パートナーシップ宣誓制度」導入に合わせて式を企画。2020年に性的少数者向けの仏前結婚式をスタートさせた。
教義などにより、同性カップルが宗教的な形式で挙式することへのハードルは高い。千田さんは「お釈迦(しゃか)様は生きている皆に幸せになってほしいと教えている。同性婚を否定していない」と語る。
寺で式を挙げたのは今年4月のイスラエル人の同性カップルを皮切りに、これまでに3組。いずれも外国人だった。同性婚が自国の宗教で認められないカップルからは「宗教は違っても、自分たちの存在を祝福してもらえてうれしい」との声があったという。
国内外から問い合わせは相次ぐ一方、日本人カップルによる式の予定はまだない。国内では「寺は葬式をする場所」のイメージが強く、最明寺で執り行われた日本人の結婚式は、約40年前の千田さんの両親が最後だった。寺では今年からウエディングフォトのサービスを開始。千田さんは「多様な人を受け入れるお寺にしたい」と力を込めた。
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多様カップル 仏前で誓い/埼玉の最明寺 LGBTQ挙式
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琉球新報朝刊
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