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ガザ南北完全分断 イスラエル停戦拒否 戦闘1カ月 地区側死者1万人超


ガザ南北完全分断 イスラエル停戦拒否 戦闘1カ月 地区側死者1万人超 ガザ地区を巡る状況、イスラエル軍の進軍エリア
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同=吉田昌樹】イスラエル軍報道官は5日夜、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区を北部と南部で完全に分断したと表明した。ガザ保健当局は6日、ガザ側の死者が1万22人になったと明らかにした。ハマスの奇襲攻撃で双方の戦闘が始まって7日で1カ月。イスラエル側と合わせ、死者は計1万1400人を超えた。 (9面に関連)
 イスラエルのネタニヤフ首相は5日、ハマスが人質を解放しない限り「停戦はない」と改めて明言した。ハマスの中核拠点とみる北部ガザ市の包囲を完了した軍は、民間人の犠牲拡大に国際社会の非難が高まる中、ハマス徹底掃討へ空爆や地上侵攻を強化している。
 軍は南北分断でガザ市を孤立させて攻勢をかける考えだ。北部に残る住民の南部への避難は一層困難となり、さらなる被害が懸念される。ガザ保健当局によると2260人が行方不明で、がれきの下敷きになったままの恐れがある。
 中東メディアによると、ガザ地区北部や中部で5~6日に激しい空爆が継続。パレスチナ通信は過去にない規模の空爆で、死傷者が多数出たと伝えた。北部の密集地ジャバリヤ難民キャンプや複数の病院付近にも攻撃があった。ガザ全域で電話回線が再び一時断絶。軍は6日、過去24時間で450以上の標的を破壊し、ハマスの拠点の一つを掌握したと発表した。
 軍は5日、ガザ最大級の医療機関であるガザ市のシファ病院から2~3キロ地点まで進軍したことを明かした。軍は病院地下にハマス拠点があるとみる。ハマスの人質は240人以上とされる。