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VRで動物実習代替/島根大/コスト削減、愛護の観点も


VRで動物実習代替/島根大/コスト削減、愛護の観点も VRを使った学習システムを体験する記者ら=2日午後、島根県出雲市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 島根大は10月、医学部などで実際の動物を使用していた実習に代わり、仮想現実(VR)で薬の効果などを確認できる学習システムを開発したと発表した。動物の購入・管理費用を抑えられると同時に、動物愛護の観点でも課題解決につながるとしている。
 昨年3月から大阪市のシステム会社「アバンテック」と共同開発を進め、医学部の和田孝一郎教授が監修した。ゴーグルを装着し、VR上でコントローラーを使ってマウスに薬物を投与。どのような反応があるかなどを繰り返し学べる。
 島根県出雲市で記者会見した和田教授によると、学生にとって実際に動物を使うと映像でも刺激が強いため、CGを利用して臨場感を味わえるよう工夫した。会見後に記者らも体験。毒薬を注射したマウスが暴れて死ぬ様子などが立体的に映し出された。
 和田教授は自身の授業で先行導入し、年間の実際のマウス利用を5分の2に減らしたという。会見で「VRは印象に残りやすく覚えがよくなると思う。学生の要望もあり、感覚も再現できないか検討したい」と話した。システムは松江市の医療用ソフト会社「ERISA」が販売する。

VRを使った学習システムを体験する記者ら=10月、島根県出雲市