会計検査院は7日、官庁や政府出資法人を調べた2022年度決算検査報告を、岸田文雄首相に提出した。検査で税金の無駄遣いを指摘したり改善を求めたりしたのは全体で344件、総額約580億2千万円だった。うち新型コロナウイルス関連事業の不適正支出などが金額の4割弱を占めた。コロナ禍で大幅に縮小していた実地検査は平年並みに戻りつつあり、検査院幹部は「今後の調査の重点は、物価高騰対策に移っていくだろう」との見通しを示した。
多額の国費が投入されたコロナ関連事業の指摘は計93件、計約220億2千万円。医療支援の主な原資となる「緊急包括支援交付金」では対象外の経費が含まれるなどの過大交付が相次ぎ、検査院は計約5億3千万円を不当とした。
感染防止の一環として介護施設などに簡易陰圧装置を設置する交付金事業では、必要な工事がされず、機能していなかったケースが30件あった。
コロナ対策で20年度に支給された「持続化給付金」に関しても調査。20年12月までに受給した個人事業主263万人から1万1千人を無作為抽出して所得税確定申告書と照らし合わせた結果、給付金を収入として計上していないとみられる人が少なくとも428人いた。検査院は、納税者に適正な申告を促すよう国税庁に求めた。
東京五輪・パラリンピックに出場の海外選手と交流するホストタウン事業では、対象となる経費がない年度も自治体提出の見込み額に基づいて特別交付税が支給されていた。計約1億3千万円が過払いになっており、検査を受け、総務省は自治体に実際にかかった経費の報告を求めるなどの措置を講じた。
法令違反や不適切な予算執行と認定した「不当事項」は計285件(指摘金額計約97億6千万円)。省庁別では厚生労働省の計約37億9千万円が最多で、国土交通省計約14億5千万円、総務省計約2億9千万円と続いた。
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税金の無駄580億円 22年度検査院報告 コロナ関連4割
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琉球新報朝刊
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