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ガザ市中心部へ侵攻 イスラエル軍 米の休戦要請応じず


ガザ市中心部へ侵攻 イスラエル軍 米の休戦要請応じず イスラエル軍の空爆で破壊した建物を捜索する人=8日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニス(ゲッティ=共同)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同=吉田昌樹】イスラエルのガラント国防相は7日、パレスチナ自治区ガザ北部のガザ市中心部に軍が進軍したと発表した。市街地でイスラム組織ハマスと戦っているとも説明した。軍高官によると、部隊が、ガザ市中心部に侵攻するのは初めて。米ニュースサイト、アクシオスは7日、バイデン大統領がイスラエルのネタニヤフ首相に対し、ハマスが拘束する人質の解放に向けて3日間の戦闘休止を要請したと報じた。 (7面に関連)
 イスラエル軍はガザ市をハマスの中核拠点とみて包囲網を狭め、攻勢を強めている。侵攻が住宅密集地に及べば、民間人の被害拡大が懸念される。ガラント氏は「(ハマスのガザ地区責任者)ヤヒヤ・シンワール氏は地下壕(ごう)に隠れ、指揮系統が損なわれている」と述べた。軍高官は、部隊がガザ市中心部に入ったものの、今後は「複雑で困難」になると指摘した。
 軍は8日、ハマスの武器開発担当幹部を殺害したと発表し5日連続でガザ北部の住民に幹線道路を通じ南部に向かうよう通告。「避難の時間は残り少ない」とした。国連は、7日までの4日間で1万5千人が避難したとみられると表明した。
 バイデン氏は6日の電話会談で戦闘休止を求めたがネタニヤフ氏はハマスへの不信感を理由に応じなかった。ブリンケン米国務長官は8日、東京都内で記者会見し、イスラエルが戦闘終結後にガザを再占領することに反対する考えを示した。
 戦闘の死者はガザ側が1万569人、イスラエル側が1400人以上。双方合わせて1万1900人を超えた。ガザ保健当局は7日、行方不明者が子ども1350人を含む2550人に上ったと表明した。