那覇市議会の久高前議長、現金5000万の収賄容疑で逮捕 かつての「大物総会屋」など逮捕者は贈賄側含め計4人 沖縄県警


那覇市議会の久高前議長、現金5000万の収賄容疑で逮捕 かつての「大物総会屋」など逮捕者は贈賄側含め計4人 沖縄県警 自宅マンションで捜査員を迎える久高友弘前那覇市議会議長(右)=15日午前6時54分ごろ、那覇市内
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 沖縄県警は15日、那覇市上下水道局の関連用地を巡り、現金計5千万円を受け取り同地の所有権を主張する人らに便宜を図ったとして、収賄容疑で那覇市議会前議長の久高友弘容疑者(75)を逮捕し、共謀したとして、この土地の所有権を主張する90代女性の後見人で自営業の女(71)=同市=を同容疑で逮捕した。

 久高容疑者らに現金を供与したとして、贈賄容疑で無職の男(80)=鹿児島県=と会社役員の男(70)=東京都=の両容疑者を逮捕した。県警はいずれの認否も明らかにしていない。関係者によると久高容疑者は容疑について黙秘しているという。 

 これまでの琉球新報の取材に対し、久高容疑者は現金の一部を私的流用したなどとし、容疑を一部認めた。自営業の女と、会社役員の男の両容疑者は「現金受領の目的は知らなかった」と容疑を否認している。無職の容疑者は「あくまで土地の取りまとめに関わる費用として渡した」と現金に賄賂性はないと主張していた。

 無職の容疑者はかつては大物総会屋と知られ、大手金融機関から総会屋への数百億円に上る利益供与事件の主犯格とされ、総会屋の利益要求を厳罰化する商法改正のきっかけとなった人物とされる。

 県警は同日、下地忠文刑事部長を長とする捜査員120人規模の捜査2課・那覇署特別捜査本部を設置した。久高氏が現金受領の見返りに、市議会の常任委員会等に議長の立場で出席し発言するなど、議会活動を通じて贈賄側に有利な計らいをしたとみて裏付け捜査を進めている。

 特捜本部などによると、2021年2月8日、市上下水道局の関連用地を巡って、不動産コンサルタント代表=当時=の男性(73)と今回逮捕された無職の男、会社役員の男の両容疑者は市議会議長室を訪れ、久高、自営業の女の両容疑者に5千万円を供与した。久高容疑者は20年12月にも不動産コンサルの男性と無職の容疑者から500万円を受領した。このうち計5千万円が賄賂にあたるという。

 捜査関係者によると、不動産コンサルの男性も近く、贈賄容疑で摘発する方針だという。