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米、オスプレイの安全性強調 運用継続巡り日米見解かみ合わず


米、オスプレイの安全性強調 運用継続巡り日米見解かみ合わず 鹿児島県・屋久島の安房港で、漁船に荷物を積み込む米軍関係者=2日午前8時40分
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【ワシントン共同】米国防総省のシン副報道官は1日、米軍が日本で運用する輸送機オスプレイに関し「整備と点検を終えた後にのみ飛行している」とし、安全性を強調した。鹿児島県・屋久島沖で墜落した空軍のCV22が所属する部隊については飛行任務を見合わせていると説明した。 
 米軍が配備している海兵隊仕様のMV22オスプレイは、CV22の事故後も飛行しており、地元で反発が強まっている。シン氏は「米兵と日本の地域社会の安全が最優先だ」と述べた。
 日本側と事故に関する情報共有をしているとし「適時、透明性のある情報共有を続ける」とした。
 「日米双方のリーダーが連絡を密に取っている」とも述べた。11月30日の記者会見では、日本政府からの飛行停止要請を把握していないと語っていた。

米、繰り返す「受け取ってない」

 事故を巡り、日米両政府の見解がかみ合わない場面が目立つ。日本政府は米側に安全性が確認されるまで飛行を停止するよう求めたが、米国防総省は当初、要請を把握していないと表明。整備や点検を経たオスプレイの飛行は問題ないとの姿勢を貫く。

 「私が知る限り、国防総省は公式な要請を受け取っていない」。米国防総省のシン副報道官は11月30日の記者会見で、複数のメディアの質問に同じ回答を繰り返し、日本での運用継続にためらいを見せなかった。
 12月1日に日米間の緊密な情報共有を強調するコメントを出したが、要請の有無には言及しなかった。

 日本政府が懸念するのは、事故後も米海兵隊や米海軍のオスプレイが飛行を続ける沖縄県など、在日米軍を抱える地域での反発の広がりだ。2016年に名護市で海兵隊仕様のMV22が浅瀬に墜落しており、住民の不安は根強い。

 米政府は今回の事故の原因が判明し、必要があれば対策を取るとの考えだ。オスプレイはこれまでたびたび機体の不具合が指摘され、米国やオーストラリアなどでも死亡事故が発生しているが、米軍は機体の安全性には自信を持っているとして世界各地で任務や訓練を続けている。

(共同通信)