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オスプレイ事故後、飛行100回超 米側「安全点検と予防的な整備している」と強調


オスプレイ事故後、飛行100回超 米側「安全点検と予防的な整備している」と強調 米海兵隊のMV22 オスプレイ(宜野湾市内でジャン松元撮影)
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 鹿児島県・屋久島沖で横田基地所属の米空軍輸送機CV22オスプレイが墜落した事故を巡り、在沖米海兵隊は5日「日本における全てのオスプレイは、徹底的かつ計画的な整備と安全チェックを受けた後にのみ運用されている」という声明を発表した。現段階では安全確認に関する基準や手順について見直さずに運用を続ける方針を示した。

 防衛省によると、事故後から4日までに沖縄や鹿児島で計100回を超えるオスプレイの飛行が確認されている。日本政府が「捜索救難活動を除き、飛行の安全を確認してから飛行するよう」求めていることを踏まえ、一方的に安全を宣言して飛行継続を正当化する狙いがあるとみられる。

 木原防衛相によると、事故後から4日までに海兵隊のMV22オスプレイが普天間飛行場で72回、嘉手納基地で4回、鹿児島県の奄美空港で16回、米海軍のCMV22は普天間飛行場で2回、嘉手納基地で14回、飛行が確認されている。

 木原稔防衛相は5日の閣議後会見で、4日に米側から「全てのオスプレイの部隊はCV22の事故をしっかりと踏まえた上で安全点検と予防的な整備をしている」と説明を受けたと明らかにした。飛行継続の方針を示す米側に対し、追加の要請や抗議をする考えは「現時点では、ない」と答えた。
 これまで明確にオスプレイの飛行停止を求めていない。米側の説明に納得できれば飛行継続を容認する考えなのか問われ「今後の対応については予断を持って答えることは控えたい」と話し、否定しなかった。
 木原氏は「懸念は払拭されていない。米国が実施している措置について確認作業をしている」と述べるにとどめた。防衛省の茂木陽報道官は「装備部門を含む防衛省内の部局横断的な態勢で、これまでに米側から提供された情報・説明の精査を始めている」と述べた。

(明真南斗、知念征尚)