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幹部5人、不記載関与否定 萩生田氏も任意聴取 安倍派 裏金疑惑


幹部5人、不記載関与否定 萩生田氏も任意聴取 安倍派 裏金疑惑 政治資金パーティー事件の構図
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーを巡る事件で、東京地検特捜部が萩生田光一前政調会長を任意で事情聴取していたことが26日に判明した。特捜部は松野博一前官房長官らも含め計5人の安倍派幹部を聴取。いずれも特捜部に対し、パーティー券の販売ノルマを超えた議員側への還流分が、政治資金収支報告書に記載されていなかったことについて「知らなかった」と説明していることも分かった。
 安倍派では2022年、還流を取りやめる方針が示されたが後に撤回。幹部らがどう関わったのかが焦点になっており、特捜部は聴取などを通じて組織的な裏金づくりの実態解明を進める。
 聴取が明らかになった他の幹部は高木毅前国対委員長、世耕弘成前参院幹事長、座長を務める塩谷立元文部科学相。関係者によると、撤回への関与を否定している幹部もいるという。西村康稔前経済産業相への聴取も検討しているとみられる。
 安倍派では安倍晋三元首相の意向で22年春ごろ、パーティー券の販売ノルマ超過分の還流取りやめが議員側に伝達された。当時の派内の実務を取り仕切る事務総長は西村氏だった。だが議員側から反発があり、安倍氏が同7月に死去した後、幹部らが協議。方針を撤回し、秋ごろに還流を実施。同8月から高木氏が事務総長を務めている。
 特捜部は政治資金規正法違反(不記載など)の疑いで捜査し、派閥の会計責任者を立件する方向で検討。幹部の還流への関わり、不正の認識を見極めるもようだ。
 安倍派では、販売ノルマ超過分を派閥側の収支報告書の収入に記載せず議員側に還流。支出にも記載せず、受領議員側も収入として書いていなかった。同法は政治団体の会計責任者に収支報告書の提出義務を課している。不記載罪などの罰則は5年以下の禁錮または100万円以下の罰金。議員も詳細を把握していれば、会計責任者と共謀したとして罪に問われる可能性がある。