衆院は27日、河野洋平元議長(86)にインタビューした口述記録をホームページ(HP)で公開した。歴史的な出来事の証言を残す「オーラルヒストリー」事業の一環で、公開は河野氏の記録が初めて。1994年に野党の自民党総裁として関わった政治改革関連法成立を巡り「生煮えというか、本当に完全に議論しきった結論ではなかった」と回想。自民党で繰り返される「政治とカネ」問題については「もっと深刻に考えないと駄目だ」と苦言を呈した。
当時の政治改革は、河野氏と当時の細川護熙首相の合意により、小選挙区比例代表並立制や政党交付金制度、企業・団体献金の制限などが実現した。
河野氏は現行の選挙制度に関し「比例代表は小選挙区で落選した人を救うような機能を果たしている」と述べ、改善の必要性を指摘。政治資金規正法の抜本改正が行われていないとして「企業献金は本当は廃止しなければ絶対におかしい」と訴えた。
政治とカネ問題では「何億というスキャンダルが1桁小さくなったかもしれないが、見えないところであるとすれば困る」とも語った。
政治改革を振り返り「政治資金のスキャンダルを撲滅することが大事だという議論をしないまま細川内閣になり、中選挙区か小選挙区かみたいな議論で、小選挙区になった」と話した。
衆院は正副議長経験者に対するオーラルヒストリー事業を開始し、最初の対象者に河野氏を選んだ。2019年10月~22年6月、衆院職員が31回にわたり対面で聞き取った。(1)生誕から初当選まで(2)新人議員時代(3)新自由クラブ時代(4)自民党復党(5)自民党総裁時代(6)外相時代(7)衆院議長―などで構成。政界引退までの経緯が含まれている。
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河野氏「政治改革生煮え」 衆院が口述記録公開 カネ問題、撲滅議論せず
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琉球新報朝刊
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