エマニエル夫人、日本初公開から50年だそう。公開当時の様子をこの目で見られなかったことがとても残念。本作についての情報を教えてくれるのは、みうらじゅんさんを筆頭に、みんなおじさまばっかり。でも、公開に先立ち、いろいろ調べていると、実は若い女性のお客さまが連れ立って鑑賞なさっていたことが判明。わざわざ「見た」と声に出さない日本女性の慎み深さは美しい。
モデルさんのようなスレンダーボディーの主演俳優、シルヴィア・クリステルの美しさたるや、同性でもその身体の全体像を見せてほしいと願いたくなる完璧さ。彼女の陶器のような白い肌は、高温多湿のバンコクにおいても常にすべすべで、薄い生地のドレスたちが、何度も何度も肌を滑り落ちる度、ため息が出る。女性が大勢鑑賞した事実にも納得。人類の命の源である「性」を、特別視も嫌悪もさせず、当たり前の喜びとして分け与えるエマニエル夫人が、やがて菩薩(ぼさつ)さまに見えてくる。監督はジュスト・ジャカン。(桜坂劇場・下地久美子)
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エマニエル夫人/桜坂劇場・あす公開/特別視も嫌悪もさせず
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琉球新報朝刊
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