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西村・下村両氏 任意聴取/裏金事件 安倍派の事務総長経験


西村・下村両氏 任意聴取/裏金事件 安倍派の事務総長経験 自民党派閥裏金事件の経過
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーを巡る事件で、東京地検特捜部が西村康稔前経済産業相を任意で事情聴取していたことが30日、関係者への取材で分かった。派内の実務を取り仕切る事務総長を経験した下村博文元文部科学相を聴取したことも判明した。西村氏は安倍派の実力者「5人組」の一人。他のメンバーの松野博一前官房長官、高木毅前国対委員長、世耕弘成前参院幹事長、萩生田光一前政調会長に加え、安倍派座長の塩谷立元文科相も含めた中枢幹部計6人が聴取されたことになる。

 安倍派では2022年、パーティー券の販売ノルマを超えた議員側への還流を取りやめる方針が示されたが後に撤回。特捜部は中枢幹部らへの聴取で、一連の経緯への関与を調べている。
 特捜部は政治資金規正法違反(不記載など)の疑いで、派閥の会計責任者の立件を検討している。幹部らへの聴取内容を踏まえ、会計責任者との共謀の有無を判断する。
 関係者によると、幹部らはいずれも、還流分が政治資金収支報告書に記載されていなかったことについて「知らなかった」と説明しているとみられる。
 事務総長は時効にかからない18年以降だと、18年1月から下村氏、19年9月から松野氏、21年10月から西村氏、22年8月以降は高木氏が務めている。
 安倍派では安倍晋三元首相の意向で22年春ごろ、還流取りやめが所属議員側に伝達された。
 だが議員側から反発があり、安倍氏が同7月に死去した後、幹部らが協議。方針を撤回し、秋ごろに還流を実施した。安倍派では、販売ノルマ超過分を派閥側の収支報告書の収入に記載せず議員側に還流。支出にも記載せず、受領議員側も収入として書いていなかった。
 西村氏側も派閥から還流を受けながら収入として計上しておらず、特捜部は関連政治団体の不記載について認識を確認したもようだ。

西村康稔氏
下村博文氏