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高まる脅威に危機感/人員、権限少なく機能せず


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府が内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の人員を倍増させるのは、政府機関や重要インフラに対するサイバー攻撃の脅威が高まっているとの危機感がある。日本のサイバー防護は欧米諸国と比べて立ち遅れていると評価され、態勢強化を急ぐ。
 政府機関へのサイバー攻撃を巡っては、今年夏ごろに宇宙航空研究開発機構(JAXA)の管理用サーバーが不正アクセスを受けていたことが判明。JAXAはロケットや衛星などの機微情報は漏えいしていないとしているが、警察当局から連絡があるまで攻撃に気付いていなかった。
 7月に名古屋港がサイバー攻撃を受けてコンテナの搬出入作業が停止する事態に発展。8月にはNISC自体が不正アクセスを受けていたと発表した。
 英国のシンクタンク、国際戦略研究所は2021年、日本はサイバー防衛分野が未熟で、デジタル分野の総合的な実力で最下位グループだと分析した。
 NISCは政府や重要インフラ事業者のサイバー防護支援を担うが「人員や権限が少なく、十分に機能していない」(政府関係者)と指摘される。