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工場被災、影響把握急ぐ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 能登半島地震の被災地にある一部工場では水漏れなどの被害が生じ、立地企業が2日、影響の把握を急いだ。建屋全体や精密装置の被災状況に関する調査を進め、生産体制の復旧に注力する。
 石川県では、ジャパンディスプレイが車載向けの製品を生産する川北町の工場で配管の一部に水漏れが起きた。リコー傘下のスキャナー大手PFU(かほく市)は工場の壁が破損し、機器が落下した。一帯は断水しており、早期の製造再開にこぎ着けられるかどうかは「予断を許さない」(広報)と説明する。
 能美市にある東芝のパワー半導体工場は地震発生時、稼働中だった。精密装置の被害状況を調べている。石川県の小松市と金沢市、富山県氷見市に工場を持つコマツの広報担当者は「大きな被害は確認されておらず、詳細は確認中だ。従業員の安全確保を最優先に対応していく」と語った。
 北陸地方は繊維や医薬品の産業が集積する。東レは能美市の工場に大きな損傷はないとみられ、周辺にある取引先の被災の詳細をさらに調べる。大塚製薬グループも富山県射水市の工場の被害把握を進めている。