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議員側8000万円プールか 安倍派裏金6億円規模に


議員側8000万円プールか 安倍派裏金6億円規模に 政治資金パーティー事件の構図
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーを巡る事件で、所属議員側がパーティー券の販売ノルマ超過分を派閥に納めず、手元にプールしていた総額が2018年からの5年間で少なくとも約8千万円に上ることが2日、関係者への取材で分かった。安倍派99人の大半は派閥から超過分の還流も受けており、その分は5年間で計約5億円の可能性がある。裏金はプール分と還流分を合わせて6億円規模とみられる。
 安倍派では、ノルマ超過分を政治資金収支報告書の収入に記載せず、議員側に還流した際、支出にも書いていなかった。受領議員側も収入として記載していなかった。東京地検特捜部は政治資金規正法違反(不記載など)の疑いで捜査。時効にかからない5年間の不記載額を精査する。
 安倍派の裏金づくりは(1)ノルマ分だけを派閥に納め、ノルマ超過分は手元にプールし、事実上の還流とする(2)議員側に支払われた代金の全額を派閥に納めた上で、ノルマ超過分を還流させる(3)派閥の口座に購入者から直接代金が振り込まれ、ノルマ超過分を還流させる―の三つのパターンがあったとされる。
 (1)のプール分は派閥として把握するのが困難だったが、今回の捜査過程で、5年で約8千万円だと分かったという。
 特捜部は今月、通常国会開会前に安倍派、二階派(志帥会)の会計責任者らを刑事処分する方向で検討している。