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管制「滑走路手前まで」 羽田衝突炎上 海保機、認識相違


管制「滑走路手前まで」 羽田衝突炎上 海保機、認識相違 羽田空港の滑走路で炎上し、焼け焦げた日航機を調べる警視庁の捜査員ら=3日午後3時40分
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 羽田空港で日航機と海上保安庁の航空機が衝突して炎上し、海保機の男性乗員5人が死亡した事故で、国土交通省は3日、日航機と海保機、管制の交信記録を公表した。管制が海保機に、衝突現場のC滑走路の手前まで地上走行するよう指示していたが、実際は海保機が滑走路に進入し衝突した。海保機の機長が「許可を得た上で進入した」と説明していることも海保への取材で判明。双方の認識の違いが明らかになり、運輸安全委員会や警視庁などが経緯を詳しく調べる。 (7、18面に関連)
 日航機の乗務員は同社の聞き取りに、管制からの着陸許可を認識し、復唱した後に着陸操作をしたと説明している。
 警視庁は3日、業務上過失致死傷容疑で日航機とC滑走路を検証。東京空港署に捜査本部を設置し、関係者を事情聴取するなど捜査を本格化させる。東京消防庁も2機を調べた。
 安全委は航空事故調査官6人を派遣し機体の確認を続けた。
 交信記録によると、管制が2日午後5時45分、海保機に「C5(誘導路)上の滑走路停止位置まで地上走行してください」と伝え、海保機側も同じ内容を復唱した。
 安全委の調査官は取材に、海保機のフライトレコーダー(飛行記録装置)とボイスレコーダー(音声記録装置)を回収したと明らかにした。