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主力機炎上 損失150億円 日航 経営回復半ば、逆風も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日本航空は4日、羽田空港で海上保安庁の航空機と衝突し炎上、焼失した主力航空機の損害見込み額約150億円を営業損失として計上すると発表した。新型コロナウイルス禍による業績不振からようやく抜け出すタイミングでの事故となり、経営には再び逆風となりかねない。(1面に関連)
 2日の事故で全損したエアバスA350は、日航が計16機使用する同型機の一つ。ボーイング777の後継となる大型機で、羽田―札幌線のような基幹路線に投入してきた。今後は残りの機材などでやりくりする見通しだが、幹部は「座席供給にはマイナス影響が避けられない」と話す。
 日航によると、事故機には航空保険が適用され機材自体の損失は今後補える見込みだ。ただ事故に伴う欠航がいつ解消するかは予断を許さず、2024年3月期の連結業績予想への影響は「精査中」とした。
 日航の経営はアップダウンを繰り返してきた。高コスト体質や世界同時不況の影響などで10年1月に経営破綻。12年9月の株式再上場後は航空需要の拡大に合わせて安定した成長を続けたが、20年に新型コロナが直撃し、21年3月期から2年続けて巨額の純損失を計上した。24年3月期は国内線の需要が戻り、昨年10月には連結純利益予想を800億円に引き上げた。日航の赤坂祐二社長は4日、「(社員には)平常心でいつも通り業務に励むように、と話した」と報道陣に述べた。