能登地震の死者84人に 安否不明が179人 72時間経過で懸命の捜索続く


能登地震の死者84人に 安否不明が179人 72時間経過で懸命の捜索続く 生き埋め情報が寄せられた、石川県輪島市の住宅を捜索する警察官ら=4日午前11時51分
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 石川県で最大震度7を観測した能登半島地震で、石川県は4日、死者が84人になったと明らかにした。連絡が取れない安否不明者として未成年3人を含む179人の氏名などを公表。輪島市によると、住民の生き埋め情報が少なくとも40~50件寄せられている。生存率が大幅に下がるとされる発生72時間が経過し、警察や消防による捜索が続いた。

 石川県では被災地などに続く道路で93カ所が通行止めとなっている。輪島市や珠洲市の集落を中心に約780人が孤立状態だ。金沢市方面から輪島市や珠洲市へつながる道で大型車が通行できるようになり、支援物資の運搬が進む可能性があるものの国道249号や県道1号の一部など数本に限られ、アクセスが困難になっている。

 死者は午後3時現在の市町村別で、輪島市48人、珠洲市23人、七尾市5人、穴水町4人、能登町2人、羽咋市1人、志賀町1人。富山市は、市内の中学1年の男子生徒が輪島市に保護者と帰省中、地震で被災し、死亡したとの情報があると明らかにした。珠洲市の漁港周辺で、津波による行方不明者が1人いることも判明した。

 現地では3日からの雨の影響で、土砂災害など二次災害への懸念も高まる中、消防や警察などの関係機関が懸命の捜索を続けた。大阪市消防局は4日、発生72時間を過ぎた直後に、輪島市の倒壊した住宅から住人の80代女性を救出したと明らかにした。輪島市の大川浜の沿岸部に待機していた海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」から、土砂や倒木を撤去するための重機を積んだ揚陸艇が出発、浜へ運んだ。

(共同通信)