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第一線14人多彩に/男性舞踊家の会/古典、雑踊、創作も


第一線14人多彩に/男性舞踊家の会/古典、雑踊、創作も 「鏡張居」で多彩な表情を見せた東江裕吉
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 国立劇場おきなわの琉球舞踊公演「男性舞踊家の会」が12月16、17の両日、浦添市の同劇場で開かれた。琉球古典芸能界の第一線で活躍する男性舞踊家がそろって出演する、自主公演きっての人気企画。14人の舞踊家が出演し、2日間で演目を大幅に変えて多彩な舞を披露した。16日の公演を取材した。
 第1部は古典の演目が並んだ。二才踊の「前の浜」は、船をこぐ所作や空手の要素が盛り込まれた振りなど、りりしい舞が印象的。大湾三瑠の力強くもしなかやかな舞には、祝儀舞踊としての晴れやかさを感じた。古典女踊の「伊野波節」は、思い人への嫉妬や強い情熱を内に秘めた踊り。宮城茂雄の舞には切なさが漂いつつも、芯のある凜(りん)とした美しさも感じた。
 第2部は雑踊や創作を中心に展開した。明治に創作された打組舞踊「川平節」は、遊女と士族の恋物語。嘉数道彦が士族の男、新垣悟が遊女を担い、恋の駆け引きを表情豊かに、軽快に踊った。フィナーレは玉城流玉扇福珠会の玉城靜江会主が創作した「鏡張居(かがんばーゐ)」を弟子である東江裕吉が踊った。美しくなりたい娘が、鏡に向かい化粧や着替えを試行錯誤するが、心の美しさが大事と気付く。「執心鐘入」や「花風」など名作の登場人物に着替える場面も楽しく、芝居心あふれる舞にくぎ付けになった。
 このほか、石川直也、佐辺良和、川満香多、阿嘉修、玉城盛義が両日出演。上原崇弘と田口博章が16日のみ、池間隼人と大浜暢明が17日のみ出演した。
  (田吹遥子)