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長引く避難 感染症懸念 能登半島地震 衛生悪化、ストレスも


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 能登半島地震の影響による石川県内の避難者数は、7日時点で2万9千人近くに上る。水や食料が供給されつつあるものの、避難の長期化で感染症患者の増加が懸念される。6~7日には七尾、輪島両市や穴水町の避難所で新型コロナウイルス感染者が報告された。専門家は「高齢者や基礎疾患のある人は特に注意が必要だ」と指摘する。
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 400人以上が身を寄せる輪島市立鳳至(ふげし)小では、少ないストーブで高齢者らが暖を取っていた。運営する女性職員は、アルコールスプレーやティッシュペーパーなどが足りないとして「衛生環境は悪くなる一方だ。熱を出す人が増え始めている」と訴える。薬もなく、持病があっても服薬できないという。
 感染症に詳しい東北医科薬科大の賀来満夫特任教授によると、避難所では共同生活によるストレスに加え、食事や水分、睡眠の不足で、通常より感染しやすくなる。人との距離が取れず、寒さで十分に換気できないこともリスク要因だ。食事前やトイレの後に手洗いすることが重要で、十分な水がない場合、ティッシュに水やお茶を垂らして拭くのも有効という。