有料

池田議員 証拠廃棄指示か 還流分「裏金」と引き継ぎ


池田議員 証拠廃棄指示か 還流分「裏金」と引き継ぎ 池田容疑者の事務所での引き継ぎの構図
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーを巡る事件で、政治資金規正法違反(虚偽記入)の疑いで逮捕された衆院議員池田佳隆容疑者(57)=比例東海、自民除名=の関係先が東京地検特捜部に家宅捜索を受ける前、証拠に関連するデータが廃棄されたとみられることが8日、関係者への取材で分かった。特捜部は池田容疑者の指示があったとみている。捜査開始後には、事務所関係者同士のLINE(ライン)のやりとりが削除されていた。
 池田容疑者の事務所で、パーティー券の販売ノルマを超えた還流分が「裏金」と引き継がれていたことも判明。政治資金収支報告書に記載できない金との認識が事務所内で共有されていたとみられる。
 特捜部は、2018年以降の5年間で派閥から5千万円超の還流を受け、裏金にしたとされる大野泰正参院議員(岐阜選挙区)、4千万円超の谷川弥一衆院議員(長崎3区)の立件も検討しているもようだ。裏金が約4800万円とされる池田容疑者と同様に高額のため、本人らへの聴取で違法性の認識を調べている。
 特捜部は昨年12月27日、池田容疑者や政策秘書柿沼和宏容疑者(45)の関係先を家宅捜索した。関係者によると、これ以前にパーティー券に関するデータが廃棄されたとみられる。特捜部が事務所関係者らへの任意聴取などを進める中で、ラインのやりとりが削除されたケースが確認された。
 池田容疑者の事務所では還流分を派閥から受け取る日が共有され、新たに入所したスタッフには「これは裏金に当たる」と説明されていたという。
 両容疑者の逮捕容疑は18~22年、派閥から計4826万円の還流を受けたにもかかわらず、共謀し、その分を除いた虚偽の収入を資金管理団体「池田黎明(れいめい)会」の各年の収支報告書に記入した疑い。
 特捜部は逮捕した理由について「具体的な罪証隠滅の恐れが大きいと判断した」と説明した。