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被災企業の再開進む 正常化にはなお時間


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 能登半島地震で被災した企業には、生産再開の動きが広がりつつある。経済産業省が情報収集した企業のうち約7割が8日時点で生産を再開したか、再開のめどが立ったと回答した。ただ、残る企業は被害の詳細を確認中か、復旧に向けた準備を進めている段階といい、正常化にはなお時間がかかりそうだ。
 大手工業メーカーの日機装は、医療機器を生産する金沢製作所(金沢市)で建物が破損するなどして操業を停止したが、復旧が進み9日に生産を再開する予定だ。
 化学メーカーの日本ゼオンは、子会社の高岡工場(富山県高岡市)での医療機器の生産を9日に再開する。一方、水漏れなどが発生した日本ゼオンの富山県内の2工場では設備の点検を続けており、再開の見通しは立っていないという。
 建設機械大手のコマツは、ブルドーザーなどを生産する粟津(あわづ)工場(石川県小松市)や金沢工場(金沢市)で試運転を始めると決めた。半導体製造装置メーカーのKOKUSAI ELECTRICも富山事業所(富山市)の生産を9日から順次再開する方針だ。
 パワー半導体を手がけるサンケン電気は5日、志賀工場(石川県志賀町)が停電したと発表。他の拠点から従業員を派遣して被害状況の確認を急いでいる。医薬品メーカーのクラシエ(東京)は、漢方薬の製造拠点である高岡工場と、漢方研究所(いずれも富山県高岡市)の稼働を停止した。設備点検に時間がかかれば製品供給に影響する恐れがあるという。